フリースクールの食事は、子どもたちの調理実習で作っています
フリースクールのお子さんたち、小学生も中学生も家事が上手。
年齢以上にお料理上手な子も多いです。おうちの人が一緒に作ってくださっていたり、留守番中に料理を作っていたり。
ABCクッキングに通う子もちらほら…。フリースクールで人気のカードゲームは「レシピ」。
もちろん、フリースクールで調理と出会い、慣れていく子もたくさん。
給食が嫌いな子も、フリースクールでは大丈夫。その秘密をご説明します。
偏食は直せるの?直した方がいいの?
偏食は直すことができますが、サポートする人が根気よく手伝うことが必要です。
学校では、健康のために「食べられるようになる」ことを目標にすることがあります。
特別支援級では、先生が丁寧に指導し、子どもたちが食べられるものを増やしていきます。
しかし、30名のクラスで子どもたち一人一人の好き嫌いを把握して、支援級ほど丁寧に対応することはできません。偏食の多い子はつらい思いをすることもあるでしょう。
家でも少しずつ偏食を減らせればいいのですが、限りがあります。
偏食は直すことができますが、そのために子どもたちがつらくなっては意味がないと思っています。
学校と食べ物は、似ているなあと思います。
学校は行けたらラッキーで、便利なもの。でも、必須ではない。
苦手な食べ物も食べられたらラッキー。だけれど、必須ではない。
偏食は直すことができるけれど、給食でつらい思いをしてきた子たちには、もっと大切なことがあるなあと思います。まずは好きなものを楽しく食べること。
野菜が食べられなかったら、果物でおぎなう。魚が苦手なら肉を食べる。そうやって健康を保てるようにしてあげたいと思っています。
持ち寄るもの
フリースクールでは、給食費(2200円)と別に、食材を何か1つ持ち寄っていただいています。自分が食べたい食材を持ってくる子がほとんどです。
たとえば野菜を1袋。くだもの。ふりかけ。ソーセージ。冷凍食品。スモークサーモン。
食べたいものだから、お昼が楽しみになります。
メニューを考える
持ち寄ったものを、到着した子から順に皮むきなどしていきます。
全員の食材がそろったら、何を作る?何ができる?と相談。「何も食べられない」という子がないように、メニューを考えます。
食材を切るときの約束
- 食べられない子が、盛り付けで除去できるサイズに切ること。
- 「食材のエキスも苦手」な子がいるときは、別のまな板を使う。
- 「匂いがいや」な子がいるときは、なるべくその子がいないすきに調理して冷蔵庫にしまう。
失敗から学びながら、「子どもたちルール」が決まっていきました。
食べるときのルール
楽しく食べることが一番。
・きらいなものは無理しない。
・自分で盛りつける(食べたいものを、食べられる量で)
・お試しから、おかわりもOK
・残すのもOK(でももったいないから、次に生かす!)
子どもたちの反応
食事のルールをゆるくすると、食べることにチャレンジする子が増えてきました。
そして何より、初めて来た体験の子だって、みんなで食べるとなんだか仲良くなれます。
だから、食べることが心配な子も、給食や外食が苦手な子も、きもち悪くなっちゃう子も、安心して仲間になってね。